QCサークル本部

日本におけるQCサークル活動は、1962年に「現場とQC」誌が発刊され、QCサークル本部が設置されました。

その後の1964年以降、QCサークル支部(関東、東海、北陸、近畿、九州、北海道、東北、沖縄)が発足し、全国的活動がスタートしました。

デミング賞を受賞

トヨタ自動車では、1962年に工長、組長、班長、技術員によるQC勉強会が始まりました。

工長・組長が中心となったQCサークル活動を正式にスタートしたのは1964年でした。

トヨタは1965年、デミング賞を受賞しました。

エドワーズ・デミング博士の功績

QC活動の生みの親、エドワーズ・デミング博士は1993年12月20日、老衰のためワシントンの自宅で死去しました。

デミング博士が提唱したQC活動は、時代の変化に合わせてスタイルを変えながら、今も各分野で成果を上げ続けています。

博士の功績をたたえて設立された「デミング賞」の受賞者でもある久米均・東大工学部教授は、「日本で販売した講義ノートの印税をそっくり日本のQC活動のために寄付したり、難解な用語を使わず、分かりやすく説いて回るなど、理論だけでなく、温かい人柄にも頭が下がった」と語っていました。

豊田達郎・トヨタ社長

1955年(昭和30年)から3年間、ニューヨーク大学で直接講義を受けた豊田達郎・トヨタ自動車社長も「トヨタが品質面で世界的な名声を得ることができたのも、博士の統計的管理手法によるところが大きい」とコメントしていました。

製造物責任(PL)や環境問題にも応用

QC活動は、生産性の向上や品質の維持だけでなく、製造物責任(PL)問題や環境問題、消費者の満足度など、博士がQCを唱えた当時には考えられなかった様々な課題を解決する道として、日本企業に生き続けました。

不良撲滅運動

トヨタでは1967年、QCサークル活動を「不良品撲滅」の1本に絞り「不良撲滅運動」を展開しました。

品質問題で散々痛い目に合ってきた苦い経験を払拭する必要がありました。

第1回日本品質管理賞を受賞

トヨタは1970年、第1回日本品質管理賞を受賞しました。

不良撲滅運動を実践するために、組織されたのが「QCサークル」でした。現場で働く人たちの自主的な管理・改善活動が基盤になっていました。また、職場の「班」をグループ単位にしました。

高度成長期から安定成長、さらにはバブル崩壊からのグローバル化・ボーダーレス化の流れの中で、QCサークル活動も「New QCサークル活動」へと変革しました。